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プロヴァンスの朝

9月のはじめは春の再来を思わせる。日中は乾いて暑く、夜は涼しい。靄(もや)が重ぐるしく視界をさえぎる8月の後では、空気は澄んですがすがしい。谷間の村は休暇から目覚め、人々は1年を通じて最も大切な仕事にとりかかる。朝ごとに葡萄畑に出て、・・・と池 央耿(いけ ひろあき)訳の「南仏プロヴァンスの12か月」の本の帯に、本当の生活、生きる歓びとはの文字は、使い古されたような言葉であったが表紙に描かれた南フランスの田園風景の水彩画に興味が出てきた。